「先生今日何やってた?」
「んと、アップルパイ焼いた」
「うわ~、乙女みたい」
だから俺の心は「りぼん」コミックス並みなんだって。
クリスマスは家族で過ごすタイプのやつが多いのか、今日は塾に来た生徒が少なかった。財布に福沢さんが入っていれば、来てくれたみんなにコアラのマーチくらい買ってやったのに。
高校生の一人が彼女持ちで明日デートらしく、みんな羨ましがっていた。
しかしこれが全然羨ましくないうえに、クリスマスという感慨すらほとんど沸き起こってこない。明日のパーチーも、ちょっと豪華な飲み会ってくらいにしか捉えてない。女はともかくとして、季節感くらいは大切にしたいものだ。きっと俺は、今どっかが壊れているのだろう。
でもオタクとしては正しい!そんな自分にワインで乾杯だ!
発情期(だいたい春)に入っても、
「別にクリスマスは…」
と言える自分であってほしい。まあそこらへんは季節によって変わるから、はっきりとはわからん。